どうもいけちゃんです。
現在、新型コロナウイルスの影響で相場が激しく変動する中、【新型コロナウイルスと株価】と題して、よりタイムリーな記事をアップしていますのでぜひそちらも参考にしてみて下さい!
今回は投資信託についてのお話しです。
おそらく投資信託ってググると…
「手数料が高い」
「リターンが低い」
「営業員に乗り換えを勧められる」
等々…けっこうネガティブな情報が出てくると思います。
率直な意見として投資信託は非常に画期的な商品だと思います。
ただ元証券マンとしては、金融機関の営業姿勢が悪いがためにマイナスイメージが付いてしまっているんだろうな…と感じています。
というわけでそんな投資信託の汚名を晴らすべく、今回も基礎の基礎からお話ししていきたいと思います!
✔投資信託とは
投資信託のことを「ファンド」と呼んだりしますが、呼んで字のごとく、投資(運用資金)を信じて託す商品です。
単品の株式とか債券と違い、福袋みたいに色々な株式や債券を入れて一つの商品にしたものです。
じゃあ、一体誰に託すのかというと、ファンドマネージャーと言われる運用のプロ達です。
もしかしたら、○○アセットマネジメントみたいな社名を聞いたことがあるかもしれませんが、そうした運用会社に所属するプロが運用をしています。
僕が証券会社で働いていた時、何回かお客様から
「お宅のところが運用しているんでしょ?だったら損させないでよ!」
とお叱りを受けたことがあります…(懐かしい)
しかし、投資信託に限らず証券会社は単なる「販売会社」にすぎません。
皆さんが投資した資金は証券会社を通して、信託銀行で管理されます。
その資金に対してファンドマネージャーが運用の指示を出します。そしてその指示通りに信託銀行が中身の株や債券を売ったり買ったりするわけです。
(出典:一般社団法人 投資信託協会HPより)
つまり、投資信託が儲かるか、損するかはファンドマネージャーの腕にかかっているということですね!
ではそんな投資信託にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
✔投資信託のメリット
投資信託のメリットには以下のことが考えられます。
🔹分散投資が可能
🔹少額から投資が可能
🔹分配金が期待出来る
🔹初心者でも投資しやすい
・分散投資が可能
何事もそうですが、偏り過ぎるのは良くないですよね。
投資においては特にそうです。
よく言われるのが国際分散投資と、時間分散投資です。
いくら商品を分散しても国や地域が偏っていたり、売買のタイミングが局所的だったりすると分散効果は薄れてしまいます…
とは言え、一個人が全部調べて売買していたら莫大な労力、時間、そして何よりコストが掛かるため現実的ではありません。
そこで投資信託の登場です!
だいたいどの投資信託もファンドマネージャーがチームを組んで、世界中から有望な株式や良い条件の債券を選定したり、あるいは期待外れの物は売って良い物に入れ替えたりしてくれています。
中にはAIや自動運転など今どきのテーマに関連する銘柄だけに特化したテーマ型ファンドというものもあります。
そのため、商品の種類が非常に豊富で、且つ一つの商品で高い分散効果が期待できるのが強みと言えます。
・少額から投資が可能
投資信託は意外にも購入のハードルが低いんです。
僕が知る限りでは、投資信託は1万円~10万円から買えるものがほとんどでした!
少額からでも、運用のプロチームを利用できるのは良いですよね^_^
・分配金が期待出来る
分配金は、イメージとして株の配当金みたいなものです。
ファンドの運用が順調だった場合、出た利益を投資家に還元した物が分配金です。
ファンドによってですが、毎月分配金を出す商品もあるため、退職後に年金の足しにしたいということで比較的高齢のお客様に人気でした!
もちろんすべてのファンドが分配金を出すわけではありません。
また分配金に関しては色々注意点もあるため、詳細はまた別の記事で取り上げます。
ただ、定期的ににお金が入ってくるのは嬉しいですよね!
・初心者でも投資しやすい
運用が初めての方は、どの株を買えば良いのか、どういう債券が良いのか分からなくて不安になりますよね…
その点、投資信託はなんたってプロフェッショナルが運用してくれるわけですから、まずは投資信託から運用を始めてみるというのもありだと思います。
そして勉強していく中で、投資信託に入っている株式を単品で買ってみたりして投資の幅を増やしていくのも良いと思います!
✔投資信託のデメリット
一方で、投資信託には以下のデメリットが考えられます。
🔹手数料が高い
🔹リターンが少ない
🔹中身がよく分からない
🔹頻繁に売り買いを勧められる(大手証券会社では特に)
・手数料が高い
投資信託って本当にここが最大のネックなんですよね…( 一一)
投資信託には通常、申込手数料・信託報酬・代行手数料の3種類の手数料がかかります。
申込手数料:商品によってですが、2~3%掛かり、販売会社である証券会社の収益になります。買い付け時のみ発生。
信託報酬:投資信託を管理・運用してもらうための費用として信託銀行や運用会社に支払われるものです。年間だいたい0.5~2%くらい掛かります。
代行手数料:口座管理や運用報告書郵送等の経費分として証券会社に支払われるもので、こちらは年間だいたい0.5~1%くらいです。
こう見ると結構掛かるな…って思いますよね。
そりゃ、プロに運用をしてもらえるわけですから多少は仕方ないけど…にしても高い( 一一)
申込手数料を考えたら、1年目は合計5、6%くらい手数料が掛かることになります。
ただ、一方で投資信託の中には「ノーロード」と言われる、申込手数料が0の物もあります。
またネット証券であればキャンペーンなどで手数料が掛からないケースもありますが、いずれにせよ年間の管理費等は掛かってきます。
・リターンが低い
リターンに関しては相場状況やファンドマネージャー次第というものありますが、上記でお話しした手数料がけっこう影響していると思います…
というのも投資信託の手数料は投資金額の中から差し引かれるのが一般的です。
仮に申込手数料が3%の投資信託を1,000万円買ったとすると手数料分30万円を引いた970万円でスタートすることになります。
つまり、買った瞬間から30万円のマイナスが立つということです。
利益を出すためには手数料分以上の値上がりが必要になるため、リターンが低くなりがちなのも頷けます…。
・中身がよく分からない
先ほど、投資信託を福袋に例えて説明をしましたが、まさにそれです。
運用会社は定期的に運用の報告書を作成しますが、何にどれくらい投資をしているかは一部しか開示されません。これは証券会社に対してもそうです。
まあ、どこの会社にも営業秘密はありますから仕方ない部分はありますが…
なので、自分が投資をしている商品の中身が全部はハッキリと分からないというのが投資信託の性質上起こり得ます。
・頻繁に売り買いを勧められる(大手証券会社では特に)
これは日本の大手証券会社特有の問題です。
【資産運用の始め方】~大手証券会社編~

こちらの記事でも少し触れましたが、営業員にとって投資信託の販売は重要な評価項目になっています。
なぜなら、営業員や会社側としては高い手数料がもらえて、且つ寝てても年間の代行手数料が入ってくるわけですから、非常に美味しいビジネスなんです。
そのため、投資信託を単純に売られてしまうと評価が下がってしまうため、乗り換え提案を頻繁にするようになってしまうんです。
(僕も現役のときはこの投資信託には苦労させられました…)
手数料の高い投資信託を頻繁に売り買いすると、いつの間にか手数料でとんでもない損が出ている。なんてことも十分あり得る話です。
こうしたいわゆる「回転売買」はお客様本位に反するとして、近年金融庁から注意喚起が入りましたが、大手証券会社の評価体系は一切変わっていないのが現状です…。
✔最後に
投資信託、いかがでしたか?
冒頭でもお話しした通り、投資信託は非常に優秀な商品ですが、その分どうしても他の商品と比べて手数料は高くなりがちです。
問題なのは、その高い手数料に依存し続ける金融機関なのです。
ただ一部ネット証券、ネット銀行では手数料無料化が進んできているため、金融機関全体で投資信託の手数料に関して見直しされる日も近いかもしれません。
次回からは【運用商品中級】シリーズです!
ではまた
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