どうもいけちゃんです。
直近、新型コロナウイルスの感染拡大も収まりつつあり、徐々に規制も緩和されつつありますが、各業界に大きな傷跡を残すこととなりました…
特に打撃が大きい業界の1つにリートを挙げることが出来ると思います。
ご覧の通り、ミドルリスクと言われたはずのリート全体の指数が日経平均よりも大幅に下落していることが分かります。
同じく、過去リートに大きな打撃を与えた事例としてリーマンショックがありました。
しかし、実は当時ある投資法人を底値で購入していれば直近価格で60倍以上の値上がり益を取ることが出来たという衝撃の事実をご存じでしょうか?
今回はそんな、裏技中の裏技をお話ししていきたいと思います!
今回のポイント
・破綻リート買収後の価格上昇を狙う ・ホテルリートに注目 |
NCR(ニューシティレジデンス)とは
では、そのある投資法人とは一体どこなのか…?
それが表題にもあるNCR投資法人(以下NCR)です。
実はNCRは初めて破綻したJ-REITとして、2008年当時リート業界にとてつもない影響を及ぼしました。
リーマンショックが金融業界を中心に信用リスクを引き起こしたのと同様に、NCRは国内のリート業界に信用リスクを波及させたのです。結果、当時の東証リート指数は高値から70%以上の下落を記録しています。
NCRはその名の通り、住宅特化型リートとして2004年に上場し、資産規模は約1800億円、保有物件数105件という中規模な投資法人でした。
しかしながら、僅か4年という短命で破綻なってしまいました。
その理由は以下の3つです。
🔹資金の目途が立たないまま、約280億円の物件購入の契約をしたこと
🔹しかし、物件の購入が出来ず約55億円の違約金が発生したこと
🔹違約金が払えず、融資や増資、また物件の売却も出来なかったこと
まあ、これを見る限りNCRの判断があまりにもずさんだったとしか言いようがないですが…
ただ、時代背景として当時は不動産投機が盛んで契約時の資金繰り等のチェックが甘かったことや、銀行が不動産関係への融資に消極的であったこともあります。
こうした経緯で、NCRは史上初破綻したJ-REITとして歴史に名を残すこととなってしまいました。
起死回生の投資口価格60倍への道
では、そんなNCRが果たしてどんな回復劇を見せたのでしょうか?
評価額が60倍超にもなった秘密は何なのか?
その軌跡を見ていきましょう。
2008年10月9日、NCRは民事再生法適用を申請しました。
上場後、1投資口辺りの価格が30万円近辺だった同社の価格は破綻後4,000円にまで売り込まれます。
そこから約1か月後の11/7に上場廃止となりました。
しかし、4,000円にまで売り込まれたNCRは上場廃止日には14,200円まで価格を戻しています。
つまり、仮に最安値の4,000円で拾った場合既にこの時点で10倍になっているわけです。
ただ、ここからNCRは長く暗いトンネルに入ることになります。
というのも、投資法人が破綻してもその投資法人が保有していた物件は当然無くなったりはしないため、管理してくれる他の人を探す必要があります。
合併先が見つかるまでNCRの投資家は不安な日々を過ごしたことでしょう。
結果、2009年の11月に大和ハウスリート投資法人がNCRを吸収合併することで合意しました。
では、その大和ハウスリート投資法人は直近の価格はいくらかと言うと…1投資口あたり、
255,900円(5/19日終値)
です!
つまり、約10年前にNCRを4,000円の底値で購入した人が、仮に今現在までその投資口を保有していたら、評価額がなんと64倍にもなっている計算になります。
これが評価額60倍超の秘密です。
狙い目はホテルリート
今回のコロナショックにおいて、破綻するリートは今のところ出てはいません。
もちろん、どこも破綻しないに越したことはないですが…
不謹慎な話ではあるものの、正直個人的にはホテルリートが危ないのでは?と睨んでいます。
皆さんもご存じの通り、長引く外出自粛で観光客も含めてホテル需要は急速に落ち込み、営業休止し追い込まれるホテルが相次ぎました。
当然、客室が稼働しなければ収益が生まれず、そのホテルを保有する投資法人の運営も厳しくなります。
実は私の親族に大手ホテルの役員の人がおり、話を聞く機会があったのですが、一番の打撃は外国人観光客の減少だと言っていました。
今や中国人を始めとした訪日外国人の利用が収益の大半を占める大手ホテルにおいて、渡航の制限は極めて痛手であるということです。
感染拡大が落ち着いても、海外渡航は引き続き多くの国や地域で制限されるでしょうから、ホテル業界の苦境はかなり長期化しそうです…
こうした要因から、仮にコロナショックで破綻するリートがあるとすればそれはホテルリートである可能性が高く、かつてのNCRと同じような道を辿るのであればかなりの利益が期待できるというわけです!
破綻リートの注意点
では仮にどこかのホテルリートが破綻したとしましょう。
しかし、この記事読んで、それ来たと!飛びつくのは危険です!
注意すべき点が3つあるからです。
1点目は、合併先が見つからないと破産になるという点です。
NCRは運よく大手の大和ハウスリート投資法人が拾ってくれたから良かったものの、もしどこも助けてくれなければ破産となり、投資口はまさに紙切れになってしまいます。
2点目は、合併先が不動産投資法人でない可能性があるという点です。
NCRの破綻時、大和ハウスリート投資法人以外にも複数のファンドが手を挙げていました。
しかし、例え買収されたとしてもファンドは不動産物件を売却することが出来ません。
そうなると、負債の返済が極めて困難になってしまいます…。
3点目は、保有物件がホテルであるということです。
リートの最重要ポイントは物件の稼働率です。
その観点からすると、現在のホテルの稼働率は非常に低いと言わざるを得ません。
結果、売却するにも建物の価値はかなり下がる可能性があります。
以上の点を踏まえて、仮にチャンスが到来した際は慎重に破綻した投資法人の保有物件等を見極めて、投資するか否か判断すべきでしょう。
リートを買うならどの証券口座が良いのか
リートが破綻するか否かに限らず、おそらくリートはオフィスや住宅、更には物流関係を中心に反発してくると思います。
その根拠に関しては僕の過去の記事を参考にしてみて下さい。

個別のリートを買う場合は売買手数料が非常に安い、ライブスター証券、DMM株をおススメします。ネット証券業界で最安値です!

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リートのファンドを買う場合なら、SBI証券と松井証券がおススメです。
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まとめ
最後にここまでお話ししてきた内容をまとめておきます。

ポイント
・破綻リートは他の投資法人による買収に期待して拾う価値あり
・過去の事例では最低10倍、最高60倍にも値上がりしている
・ただし、破産となれば紙切れになるなどリスクは大きい点に注意
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
ではまた。