どうもいけちゃんです。
ここ直近、リートに関する記事をいくつかアップしていますが、今回は物流型リートについてお話ししていきます!
もうお気付きの方も多いかと思いますが、物流リートは他の不動産資産と比較してもずば抜けて優秀です。
これは、東証リート指数と代表的な物流型リート(日本ロジスティクスファンド、三菱地所物流リート、三井不動産ロジスティクスパーク、日本プロロジスリート)との直近半年間の比較チャートになります。
3月半ばには軒並み大幅下落していますが、物流型リートはそこから急速に回復していることが分かります。
物流型リートはなぜ強いのでしょうか?今後も好調は継続するのでしょうか?
リートに影響を及ぼす景気、金利、地価の3つの側面から物流型リートの強さの秘密を明らかにしていきます。
先ずは、物流倉庫の特徴を確認してみましょう。
物流型リートのポイント
景気、金利、地価、いずれの観点から見ても死角が無い! |
物流倉庫の特徴
物流倉庫の特徴を説明する前に、こちらの画像をご覧ください。
(出典:日本プロロジスリートHPより)
こちらは千葉県習志野市にある日本プロロジスリートの物流倉庫になります。
この画像を見て色々気が付く点があろうかと思いますが、今回は以下の3点に着目してご説明したいと思います。
🔹建設費用が安い
🔹都心や居住地区から離れた場所にある
🔹耐震強度が極めて高い
建設費用が安い
1つ目の特徴は、建築費用の安さです。
画像をよく見ると、外壁がスカスカなのが見て取れます。
また、商業施設やオフィスと違ってエアコンやトイレといった設備はほとんど必要とされません。
そのため、他の不動産資産と比較しても建築費を安く抑えることが出来るのです。
以下は、鉄骨製の倉庫と商業施設の建築費を全国平均で比較したグラフです。
・建築費水準(万円/坪)鉄骨造 倉庫(全国平均)
(出典:アーキブックHPより)
・建築費水準(万円/坪)鉄骨造 店舗(全国平均)
(出典:アーキブックHPより)
全国平均で比較しても、倉庫の建設費が安いことが分かります。
ちなみに、商業施設の場合、東京都の平均値は全国の約1.5倍します…。
都心や居住地区から離れた場所にある
2つ目の特徴は立地です。
これについては皆さんのご想像の通りだと思いますが、大型倉庫は写真のように沿岸部や、山間など都心部や住宅街から離れた郊外に位置していることがほとんどです。
その理由は、もちろん土地代が安いからです。
しかし、土地代が安いというのにはコスト面以外にも重要なメリットがあります。
その点については後述しますのでお楽しみに。
耐震強度が極めて高い
3つ目の特徴は地震への強さです。
これは特徴と言うより以下で述べる物流型リートの強さの秘密に入るかと思いますが…笑
物流施設に限らず、リートにとってのリスクの1つに災害が挙げられます。
火災、水害、台風等々…
しかし、これらの多くは損害が発生しても火災保険でカバーすることが出来ます。
となると、問題は地震です。
ただ、実は物流倉庫は地震にめっぽう強いんです。
建物を建てる際は、耐震基準と言うのが定められていますが、物流倉庫の耐震強度は通常のオフィスビルの5~10倍とされています。
もちろん、地震保険に入ればいいと言われればそれまでですが、保険云々関係なく、災害に強いというのは他の不動産資産には無い物流倉庫の特徴と言えます。
参考:PML値
ここで、参考までに建物の地震に対する耐久度を示す値としてよく参照されるPML値について触れておきます。
PML値とは、Probable Maximum Lossの略で、建物の使用年数中に想定される、最大規模の地震に対する損失割合を示した数値です。
当然、 PML値が低いほうが地震に強い建物ということになります。
では、一例として日本プロロジスリートの物件はどうでしょうか。
(出典:日本プロロジスリートHPより)
一番右の欄にPML値が記載されていますが、損失額が1%未満の物件が多いことが分かります。
これは驚くべき数字です。
PML値が0~10%とは、50年に1度の確率で起きる大地震が発生した場合でも、被害が軽微であるということを意味しています。
日本プロロジスリート以外にも、三菱地所物流リートのIR情報なども参照しましたが10%前後の物件がポートフォリオの大半を占めていました。
物流型リートの好調は続くのか…?
ここまでお話ししてきた物流倉庫の特徴だけでも物流型リートの強さをご理解頂けたと思いますが、投資をする上で肝心なのは、今後の見通しですよね。
では、物流型リートの今後に関して、景気・金利・地価の3点から検証していきましょう。
物流型リートの今後 ①景気
結論:物流型リートはいかなる景気局面でも強い
今回のコロナショックで痛感したように、リートにとって景気は極めて大きな変動要因になります。
過去の記事でも取り上げましたが、リーマンショック時も東証リート指数の下落幅は日経平均株価を上回りました…。

現在も、東証リート指数はコロナショック前の水準に対して半値戻しにすら到達していません。
しかし、そんな中でも涼しい顔をしているのが物流型リートです。
ご存じの通り新型コロナウイルスの感染拡大によって外出自粛や店舗の営業自粛によってネットショッピングへの需要が急激に増加しました。
あのアマゾンすら需要に対応しきれず、発注を減らす施策を取ったほどです。
では、新型コロナウイルスが終息し、景気が回復したらどうなるのでしょうか?
当然、小売店での消費が回復するわけですから物流倉庫の需要は継続して高くなります。
つまり、販売のチャネルが変化するだけで商品をストックする物流倉庫は必ずと言って良いほど必要になるわけです。
現に、主要な物流型リートのポートフォリオ全体における物件稼働率は90%を軒並み超えています。
今後もEコマースの拡大は継続し、その恩恵を享受できると考えられます。
それもある程度織り込まれた上で現在パフォーマンスが向上しているということでしょう。
物流型リートの今後 ②金利
結論:物流型リートは格付けが高く、金利上昇の影響を受けにくい
景気と並んで、金利というのもリートに大きく影響するのは周知の事実です。
低金利下でリートが強いというのはイメージしやすいかと思います。
なぜなら市場金利に対してリートの利回りが相対的に高くなるからです。
では、なぜリートは金利上昇局面に弱いと言われるのでしょうか?
それは、物件を取得する際の金融機関からの借り入れ金利が上がるからです。
通常、何十億、何百億円する物件をフルキャッシュで取得するというのは難しく、大抵銀行からの融資を受けます。
融資をする際の金利というのはその時の市場金利も影響しますが、それ以上に貸出先の格付けが非常に重要になります。
僕は現在、大学院のMBAコースで金融リスクマネジメントについても学んでいますが、銀行は融資をする際に、貸出先のデフォルト率やデフォルトした際の想定損失額を算出します。
そして、
貸出利息収入+担保>デフォルト時の期待損失額
となるように貸出金利を設定する必要があります。
この時、デフォルト率を参照するにあたって重要なのが格付けになります。
日本プロロジスリートや三菱地所物流リートを始め、主要な物流型リートの多くは格付けがA~AA+といった極めて高い格付けを保有しているため、例え市場金利が上昇しても比較的低コストで借り入れを行うことが出来るのです。
物流型リートの今後 ③地価
結論:立地上の理由から地価の変動を受けにくい
物流倉庫の特徴の2つ目に立地に関して言及しましたが、その際に土地が安いメリットがコスト以外にもう一つあるとお話ししました。
そのメリットとは、地価のボラティリティが低いという点です。
今は、都心を中心に地価が右肩上がりで上昇していますが、もし仮に地価が下落トレンドに入った場合、多くのリートがダメージを受けるでしょう。
実は、地価も株と同じように高ければ高いほど、下落幅も大きくなります。
東京の土地が高いのは当然、買う人が多いから高いのであって…もし仮に世界恐慌のような事態が発生し買う人がいなくなれば地価は急激に下落します。
一方で、物流倉庫は立地的に地価がほとんど上昇していない地域のため、下落幅もその分抑えられるということです。
物流リートを買うにはどうしたら良いのか
ここまで記事を読んで頂き、物流リートに関心を持たれた方!
せっかく買うならもちろんコストは抑えたいですよね。
以下に、売買手数料が非常に安い、ライブスター証券・DMM株・SMBC日興証券ダイレクトコースのリンクと口座紹介記事を貼っておくので是非ご覧ください。
・DMM株


・SMBC日興証券

まとめ
では、最後にこれまでお話ししてきた内容をまとめておきます。

物流型リートの特徴
・物流倉庫は他の不動産にはない優れた性質を持っている
・そんな物流倉庫に厳選投資をする物流型リートは今後も好調が続くと考えられる
今回は少し長くなってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました!
ではまた。