どうもいけちゃんです。
前回の貸借対照表に引き続き、今回は損益計算書に関してお話ししていきます。
貸借対照表はその企業のお財布事情を表しているとご説明しました。

しかしながら、貸借対照表からは企業の資産状況は分かっても、実際の事業活動の内容までは分かりません。
資産を築き上げるために、その企業がどのような営業活動等を行ってきたのか。
それを表したのが損益計算書です!
損益計算書のポイント
損益計算書によって企業の活動の全貌を把握することが出来る |
損益計算書について
では、ここから損益計算書について詳しく解説していきます。
損益計算書の必要性
まず、そもそもなぜ損益計算書は必要なのでしょうか?
前回解説した貸借対照表を見れば企業がどれだけ資産を持っているかが分かるし、それで十分な気もします。
しかし、貸借対照表だけでは企業の外観は分かっても、中身までは分かりません。
いくら純資産が多くても、非効率な営業活動をしているようでは、その企業の成長は続かないでしょう…
人間も短期的な付き合いなら見た目重視でも良いですが、結婚して一緒に家庭を繁栄させるためには中身の方が大切ですよね。それと一緒です。
例えば、同じ100万円の利益を生み出すのに、
A社は、300万円で製品を作り、400万円で販売しています。
一方でB社は1億円で製品を作り、それを1億100万円で販売しています。
この場合、どちらの企業の方が効率的な営業を行っているでしょうか?
無論、A社ですよね。
極端な例ですが、同じ100万円を稼ぐのでも利益率が全く違います。
こうした企業の中身を知る上で損益計算書というのは非常に重要な決算書になります。
損益計算書の中身
では、損益計算書はどのように作られているのでしょうか。
先述のA社の例で考えてみます。
A社の場合、
収益は400万円(400万円で売った)
費用は300万円(300万円で作った)
利益は100万円(100万円もうかった)
となります。
収益とは言うまでもなく、売った個数×単価で計算されます。
日常生活では、収益も利益も同じような意味で使われていますが財務上では全く意味が異なるので要注意です!
たまに、株主総会等で社長や役員が、
「今期は人件費などコストを削減したため、増収となりました」
という言葉をたまに耳にしますが、これは大きな間違いです…!
費用の削減は収益ではなく、利益に影響するため正しくは増益となります。
ハッキリ言って、こんな間違いをする企業は投資するべきではないですね…笑
それはともかく、損益計算書は大きく分けて収益・費用・利益の要素で成り立っています。
しかし、企業は日々国内外で膨大な数の取引を行っています。
仮にA社の製品が年間1万個販売されていたとしたら、
損益計算書には400万円-300万円=100万円のやり取りが1万回記載されることになり、巻物状態になってしまいます…
かと言って1万回の取引を一遍にまとめて記載してしまうと、第三者が見た時にあたかも一回しか取引がなかったかのように見えてしまいますよね…
では、損益計算書はどのように構成されているのでしょうか。
損益計算書の構成
結論から言うと、収益と費用を営業活動での損益、財務活動での損益、その他の損益の3つに分類してまとめられています。
僕の手作りの図のためお見苦しい部分もありますがご容赦下さい…
自動車メーカーを考えてみましょう。
✔営業活動での損益において、
収益(売上高)販売した車の台数×単価になります。
また車を作るための鉄板やタイヤなどの原材料費、人件費などが直接的な費用に該当します。一方で、光熱費や広告費、更には研究開発費などが間接的費用に該当します。
✔次に財務活動での損益において、
営業外収益とは例えば有価証券からの配当金や、余剰資金を預けている金融機関からの利息収入が挙げられます。
一方で、営業外費用とは借入金融機関に払う利息などになります。
✔最後に上記の2つのいずれにも該当しない突発的な損益をその他に分類します。
このように、事業活動別に損益を計算し、最終的に税金を控除した数字が当期純利益になるわけです。
実際の損益計算書を見てみよう
ここまでお話ししてきた内容を踏まえて、実際の企業の損益計算書を見てみましょう。
こちらはキーエンスの第3四半期決算時に発表された損益計算書になります。
これはけっこうシンプルな方ですが、それでもここからキーエンスの売上高営業利益率がいかに高いかを読み解くことが出来ます。
最後にもう一つ、面白い損益計算書があるのでお見せします。
こちらは、薬用養命酒を製造する養命酒製造株式会社の損益計算書の一部になります。
注目すべき点は黄色く色付けした「酒税」の部分です。
今までの内容を踏まえると、税金は最後に控除されるはずです。
しかし、同社に限らずアサヒやキリンといったお酒を製造する企業は、酒税を払わなければお酒を製造することが出来ません。
そのため、税金ではあるものの製造に掛かった費用として売上原価に計上されています。
財務についてもっと勉強したい方へ
今後、貸借対照表と損益計算書については更に深堀をしていく予定ですが、それと並行して自分でも勉強したい!という方向けにおススメの書籍を紹介しますので参考にしてみてください。
・Amazon
・楽天
まとめ
最後にこれまでお話ししてきた内容をまとめておきます。

損益計算書のポイント
・企業の活動内容を知ることが出来る
・その内容から、コスト管理など企業の経営の効率性を把握することが出来る
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
ではまた。