【貸借対照表と損益計算書】~#4 減価償却とその処理方法~

 

どうもいけちゃんです。

 

これまで3編にわたり、連結も含めて貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)の概要を説明してきました。

 

BSとPLについて、聞いたことはあるけどどういうものなのかよく分かっていない…

という方も多く(以前までは僕もそうでした…)、たくさんの方に読んで頂いています!

 

そこで、今回からはBS、PLの詳しい中身についてお話ししていこうと思います。

 

先ずは「減価償却」について解説していきます。

 

今回のポイント

・減価償却の概念を理解する

・減価償却の方法を抑える

・減価償却によるメリットを理解する

 

減価償却とは…?

 

減価償却ってなんですか?

 

と聞かれて皆さんはどうお答えになるでしょうか。

 

実際にメーカー企業や不動産業界で働かれている方であれば、機械や建物の価値が減っていくことだなとすぐにイメージ出来ると思います。

 

減価償却とは、“価値が減少した分を費用化する”という意味です。

 

例えば日常生活において洗剤や香水といった消耗品は使い切ったら価値が無くなって捨てますよね。

これを貸借対照表で表すと以下の図になります。

 

消耗したら捨てるわけですから資産の部からは無くなり、同時に買った時の価格が費用として純資産から減るということになります。

 

実生活でこんな自分の貸借対照表を作っている人はなかなかいないと思いますが、実際の会計上では資産を買った時点では費用は発生しません!

消耗していない新品であれば返品していつでも支払った金額分戻って来るからです。

消費を開始して始めて価値が減り、その減った分を費用として計上していくのです。

 

減価償却の考え方

 

では、上記の例が企業の場合だとどうなるかというと、

 

このような感じになります。

 

固定資産は有形固定資産無形固定資産の2種類があり、有形固定資産は建物や工場、機械などが挙げられます。一方で無形固定資産は特許権や商標権などです。

 

ここで注意点が2点あります。

土地は減価償却の対象ではない

無形固定資産は減価償却ではなく単に「償却」と言う

 

特に①は重要です。

土地は機械やビルみたいに使っても価値が減るものではありません。

価格はもちろん変動しますが、価格の変動と価値の減少は全く別問題です。

よって、不動産において減価償却の対象になるのは土地の上に立っている上物だけになります。

 

そして資産の多くは何年で減価償却しなさいというのが定められています。

【確定申告書等作成コーナー】-耐用年数表

 

 

ただ、減価償却が終わったからといって資産を捨てる必要はありません。

減価償却はあくまで資産の価値を計算するための考え方に過ぎないのです。

 

減価償却時時のルール

 

例えば、皆さんが1億円で機械を購入し、その機械は10年で減価償却をするとしましょう。

その場合、1,000万円/年、費用を計上していくことになります。

(*ここでは分かりやすく定額法で説明していますが、機械は定率法で償却されます。詳細は後述してあります)

 

 

先述の通り、資産の購入時には費用は計上せず、一年間に1,000万円ずつ費用に計上していきます。

 

機械などの製造設備が売上原価に分類されるのは、機械によって製品が作られている以上、製品の価格に機械の価値も含まれているからです。

また作った製品を売るための店舗などの建物は販売管理費に分類されます。

 

もし、この機械を買ってから10年が経過し減価償却が終わっても、特に不具合が無ければ継続して使いますよね。

 

しかし、1億円分丸々減価償却してしまうと未だ資産として使っているのに財務諸表からこの機械が完全に消えてしまいます…

 

そこで実際に減価償却する額は、

取得価格(1億円)-備忘価額(1円)=要減価償却額

となります。

 

分かりやすく図で表すと以下のようになります。

 

そして要減価償却額(この図では要減価償却額から減価償却累計額を差し引いた額)を決められた年数で償却していくことになります。

 

定額法と定率法

 

上記の例では分かりやすく毎年定額の金額を減価償却処理する前提で解説しました。

この減価償却方法を定額法と言います。

 

一方で、定率法とは資産の残存価値に対して一定の割合で減価償却を行う方法です。

例えば機械であれば購入した初年度は頻繁に使用し、利益に貢献しますが、年数を経るごとに使用回数は減少する傾向にあります。

こうしたことから償却額は初年度が最も高く、年を経るごとに減少していきます。

 

定額法か定率法かは資産の内容によって区分されますが、定率法の方がより実務を反映した方法であると言えます。

 

また、厳密には要減価償却額には各資産の耐久年数によって「償却率」をかけて計算されます。

 

定額法、定率法の計算式は以下の通りになります。

・定額法

減価償却費=取得価格×定額法の償却費

・定率法

減価償却費=未償却残高(初年度は取得価額)×定率法の償却費

 

固定資産の売却について

 

上記で皆さんが買った1億円の機械ですが…

残念ながら最新モデルが登場し、今持っている物が陳腐化してしまいました。

 

そこで新しいモデルを買うべく、今持っている機械を売りたいと上司に相談したとしましょう。

すると大抵の上司はこのように言うと思います。

「今持っている機械って減価償却終わってる…?」

 

もし、減価償却が終わっていない場合、おそらく機械の売却は許可されないはずです。

 

なぜなら、

仮に要減価償却額の内、4,000万円分減価償却が終わっていたとしましょう。

すると帳簿価格は6,000万円(備忘価額は考慮しなかった場合)になります。

 

しかし、この機械は陳腐化してしまったため売却価格は3,000万円でした。

すると売却価格-帳簿価額の△3,000万円が特別損失として損失に計上されてしまうからです。

 

もちろん減価償却が終わっている場合は問題ないですし、逆に予算が余っている時はむしろ売って赤字を計上しろ!と言われるかも知れません。

 

いずれにせよ固定資産を途中売却する際は注意が必要です。

 

減価償却のメリット

 

減価償却の内容はおおよそご理解頂けたかと思います。

 

ただ、こんな面倒な会計処理をするのにはどんなメリットがあるのでしょうか…。

 

手元に資金が残る、或いは適正な損益が把握できるなどいくつか挙げられますが、個人的は最大のメリットは節税効果だと思います。

 

仮に建物や自動車など高額な買い物を一括で計上してしまうとその年の経費の負担が重くなる一方で、翌年は購入した資産から利益が生み出され多大な法人税を払わなければならないなど、経営バランスが崩れてしまいます。

 

しかし、減価償却で数年に分けて費用化することで、償却期間中は利益に対する税金を抑えることが出来ます

 

特に個人事業主(オーナー経営者)にとっては非常に大きなメリットになり得ます。

 

例えば自動車であれば新車は4年償却、中古車は1年償却です。

これまでの理論に照らし合わせると償却期間の長い新車の方が節税効果がありますよね。

よって、オーナー経営者であれば税金を払う分で高級な新車が買えてしまうわけです。

 

車に限らず、税金対策で自由に好きなものが買えちゃうということです!

 

財務に関して更に学びたい方へ

 

これまで減価償却の基本についてお話ししてきました。

減価償却については、固定資産に関係して資産除去債務といった考え方など、まだまだ奥は深いです…!

その辺も解説して欲しいというご意見があれば喜んで解説致します。

 

ただ、ご自身でももっと勉強したい!という方向けに僕が勉強で使っている書籍をご紹介しますので是非参考にしてみて下さい。

 

 

・Amazon

新・現代会計入門 第4版 (日本経済新聞出版)

・楽天

新・現代会計入門

 

まとめ

 

では今回の内容をまとめておきます。

 

減価償却のポイント

・減価償却とは、“価値が減少した分を費用化する”という意味である

・固定資産は減価償却時に始めて費用として計上される

・減価償却には節税のメリットがある!

 

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました!

 

 

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