【貸借対照表と損益計算書】~#6 株主資本等変動計算書と情報開示について~

 

どうもいけちゃんです。

 

前回の記事では貸借対照表の純資産について詳しく解説しました。

その中で、「株主資本」という中項目があったかと思います。

 

今回はその株主資本に関して、年間でどのくらい変動があったのかを表す「株主資本等変動計算書」についてお話しして行きます。

 

ただ、株主資本等変動計算書は論点がそこまで多くはないため、同時にディスクロージャー(情報開示制度)についても併せて解説していきます!

 

株主資本等変動計算書

 

 

こちらが株主資本等変動計算書のイメージ図になります。

 

期中に企業が様々な活動を行うことで、当然純資産の中の株主資本も変動していきます。

 

つまり、この財務諸表からは

配当金の支払いや、自己株式の取得額、保有有価証券の評価差額の変動額

を把握することが出来ます。

 

ちなみに自己株式の取得がマイナス要因になるのは、株主からの出資分の払い戻しになるからです。

 

 

株主資本等変動計算書の論点は以上になります。

 

主要な財務諸表である、貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・キャッシュフロー計算書の中で、一番存在感は薄いかな…という印象です。

ただ、有価証券報告書や決算短信に載る財務諸表の1つであるため、今回触れておきました。

 

ディスクロージャーとは

 

ディスクロージャーとは、企業の情報開示の総称を指す言葉です。

 

皆さんがよく耳にする企業の情報開示には何があるでしょうか?

有価証券報告書、決算短信、大量保有報告書…等々

この辺りがメジャーだと思います。

 

しかし、当然ながらそれぞれいつ、どこで、どのように開示するかが決まっており、それも法律か制度に則っているかという違いもあります。

 

今回はディスクロージャーの概要を説明した後、ディスクロージャーを3種類に分類して説明をしていきます。

 

日本のディスクロージャーの概要

 

 

 

 

これらがディスクロージャーの概要の大まかな流れと概要になります。

ちなみに上記のフロー表は3月末決算企業を想定したものです。

 

そして、各情報開示は大きく分けて3つに分類することが出来ます。

 

 

それぞれ①法律に基づいた書類②上場制度に基づいた書類③企業が自主的に作成した書類

の3つです。

おそらくこの中で一番見られる頻度が高いのは決算短信だと思います。

 

決算短信には主に財務データに関する内容が記載されています。

当然、有価証券報告書にも財務データは記載されていますが、有価証券報告書が開示されるのは決算が発表されてから約3か月後になるため、かなりタイムラグが生じてしまいます…。

 

そこで、肝心な財務データのみ迅速に開示してくださいという取引所の制度に則って作られるのが決算短信なのです。

 

今までこのブログで解説してきた貸借対照表、損益計算書、更には負債(減価償却)、純資産に関する内容を読み返して、ぜひ有価証券報告書や決算短信をダウンロードしてみて下さい!

 

 

決算日や株主総会に関する特徴

 

この記事を書いている6月と言えば…

そう、株主総会の季節です。

 

上記で説明したように株主総会は決算日から3か月以内に行うこととされています。

 

しかし、なぜ多くの企業が4月や5月ではなく6月の末に株主総会を行うのでしょうか?

また株主総会において議決権を行使するための権利の基準日が決算日なのでしょうか?

それに付随して配当請求権もまた決算日と同じなのはどうしてなのでしょうか…??

 

もう当たり前の事項になり過ぎて疑問を持ったこともないという方が多いかと思います。

 

ただ、これらの事実は世界で見ても極めて珍しいケースなのです…!

 

株主総会について

 

まず、株主総会の時期が集中している件については割と有名ですよね。

 

以前は総会屋と言われる株主(イメージとしてはクレーマー的な…)によって議事進行が妨害されることを嫌がった企業が、わざと時期を被せていたのです。

 

しかし、あまりにも日程が被り過ぎて投資家と企業のコミュニケーションの場が失われてしまうことを危惧した東証が分散化を呼び掛けたことで、解消されつつあります。

 

今では日程の重複率は約30%とされています。

(ピーク時は90%だったそうです…)

 

ただ、本題であるなぜ6月か?という解については4月は入社準備等で忙しく、5月はGWもあり営業日日数が短いため、万全の準備を期して臨もうとするとどうしても6月になってしまうということがよく言われています。

 

基準日と決算日

 

株式投資をされている方なら常識中の常識となっていますが、日本の場合は、

議決権行使権の基準日=決算日

配当請求権の基準日=決算日

ですよね?

 

ただ、なんとこれは世界で見ても日本と韓国だけの慣習で、投資大国のアメリカでは

議決権基準日≠配当基準日≠決算日

なのです。

 

なぜこうなったのかについては、明確な解が無いとされています。

おそらくは日本の商法の歴史を紐解く必要があると思いますが…

 

こうしてみると決算やディスクロージャーは極めて奥深い内容であることが分かります。

 

財務に関して更に学びたい方へ

 

今回お話ししたディスクロージャーの分野は非常に奥深く、マニアックな世界です!

ぜひ興味のある方は、財務会計についての分野を網羅的、且つ分かりやすく解説している参考書をご紹介しますので手に取ってみて下さい。

 

 

・Amazon

新・現代会計入門 第4版 (日本経済新聞出版)

 

まとめ

 

では、ここまでお話ししてきた内容をまとめておきます。

 

今回のポイント

・株主資本等変動計算書からは、配当の支払額や自己株式の取得額を把握することが出来る。

・企業のディスクロージャーには法律、制度、自主開示の3種類に分類することが出来る

・株主総会や決算日には日本独自の特徴が存在し、会計の分野でも非常に奥深い内容となっている

 

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございます。

ではまた。

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