【企業戦略】~#2 SCPモデルと5つの競争要因(Five Forces)~

 

どうもいけちゃんです。

 

前回は、「戦略」とはそもそも何か。という話から、その戦略を決める基礎となるSWOT分析についてお話ししました。

 

しかしながら、SWOT分析はあくまで戦略を決める上で考慮すべき事項を提示しているだけで、実際に各項目についてどう分析するべきかについては何も提示していません…。

 

そこで今回から数パートに分けて、SWOTの各項目の分析についてお話しして行こうと思います。

 

先ずは、企業の外部要因である機会(Opportunity)と脅威(Threat)の分析に有効なSCPモデルとポーターの5つの競争要因(Five Forces)の導入部分について取り上げます。

 

今回のポイント

・業界構造もまた企業戦略において重要要素である。

・業界に対する5つの競争要因を抑える。

 

業界構造分析:SCPモデルについて

 

SWOT分析に基づくならば、企業の戦略は外部要因に対して、

外部環境における脅威を無力化し、外部環境における機会と強みを活用する(中略)

 

このような内容が望ましいと考えられます。

 

しかしながら、この外部環境というのはその企業が属している業界の状況によって大きな差があります。

 

例えば、競合他社が多数存在する飲食業界と、競合が比較的少ない鉄道業界では明らかに業界の特徴が違うため企業の戦略やパフォーマンスに差異が生じるはずです。

 

企業を取り巻く外部要因である脅威と機会を分析するにはこうした業界の特徴、いわゆる「業界の魅力度」を把握する必要があります。

 

そこで用いられるのが、SCPモデルです。

 

SCPとは「業界構造-企業行動-パフォーマンス・モデル」を意味しています。

つまり、業界構造の特性が企業行動とパフォーマンスに多大な影響を与えることを示唆しているのです。

 

これが、SCPモデルにおける業界分類とその特徴、及び企業行動と期待されるパフォーマンスの内容になります。

 

各企業は当然のことながら、いかに完全競争よりも低い競争レベルに身を置き、利益を獲得するかを考えることになるでしょう。

 

以下では各業界分類についてもう少し掘り下げてみたいと思います。

 

完全競争業界

 

完全競争業界では、

・競合他社が数多く存在し、

・製品がほとんど同質で、

・業界への参入と退出に掛かるコストが少ない

 

という特徴があります。

 

こうした業界に身を置く企業は、市場の需給関係に合わせて製品価格を決めることしかできない。つまりプライステイカーとしての立場に留まり、需給をコントロールする力を持っていないのです。

 

ただ、通常はどんなに業界の人口密度が高くても各社とも何かしらの差異が生じているため、完全競争の事例は少数です。

強いて上げるとするならば外国為替市場が考えられるでしょう。

様々な業者が存在しますが、別にどこで買っても米ドルは米ドルだし、タイバーツはタイバーツです。

 

こうした業界では、利潤が分散されるため企業の得られる利益も並み程度とならざるを得ません。

 

独占的競争業界

 

独占的競争業界では、確かに競合他社は多いものの、競合他社を出し抜くような新たな市場を見出すことが可能な状態です。

 

もちろん、いくら有望な市場を発見しても常に他社からの脅威にさらされています。

 

そこで、この業界に身を置く企業は製品差別化やコストリーダシップなど様々な戦略を駆使して利益を確保しようとするでしょう。

(*各戦略については、別記事で取り上げます)

 

こうした戦略が上手くいった企業は、競合他社が多くても多くの利益を獲得することが可能となります。

 

寡占業界

 

寡占業界では、競合他社が比較的少なく、参入や退出のコストが高い。一方で、製品は必ずしも差別化されているとは限らないという特徴を持っています。

 

事例としては、回転ずしが考えられます。

現在、回転ずし業界は、スシロー・はま寿司・くら寿司・かっぱ寿司・元気寿司の5社で業界の8割以上のシェアを有しているのが現状です。

 

ただ、各社とも提供するネタにはそれほど大きな差は無いですよね。

 

一方で、鮮魚の仕入れルートの確保や、回転レーンといった特殊な店舗作りなど参入コストはそれなりに掛かる業界であると言えます。

 

こうした業界では、一社が著しく価格を低下させると一気に価格破壊を起こす可能性があることから暗黙的談合などが行われると考えられます。

 

独占業界

 

その名の通り、その業界がたった1社のみで構成されている状態です。

 

こんな事例は極めて稀でしょうが、かつてのMicrosoftがそうでした。

PCのオペレーティングシステムはMicrosoft1社によってほぼ完全に独占されていた時代がありました。

 

こうした状況下では企業は、市場占有力を活用してより有利な価格設定を行うことが出来るため、非常に多くの利益を獲得することが出来ます。

 

脅威の分析:5つの競争要因(Five Forces)

 

SWOTにおける、外部要因である脅威と機会を考える上でのベースとなる業界構造の概念をお話しした上で、業界における脅威を分析するモデルを紹介します。

 

それが、ポーターの5つの競争要因(Five Forces)です。

 

5つの脅威とは、

  • 業界内における競合他社の脅威
  • 売り手(サプライヤーなど)の脅威
  • 買い手(消費者など)の脅威
  • 新規参入の脅威
  • 代替品の脅威

 

の5つを指しています。Forceと言うと単純に力と考えてしまいがちですが、業界に対する圧力と言った方が分かりやすいかも知れません。

 

このポーターのファイブフォースの概念を使うことで、

上記のSCPモデルで説明した業界の分類が明確になり、各業界における脅威は何なのか?期待される平均的なパフォーマンスはどれくらいなのか?を分析することが出来ます。

 

例えば、業界内の脅威や新規参入の猛烈な脅威に常に晒されているような状態であれば、それは完全競争業界であり、他社と比較して平均的な利益を確保するのが限界になるでしょう。

 

一方で、脅威が少なくなるほど完全競争ではなくなるため、製品差別化といった有効な戦略を実行することで自社が他社よりも利益を多く獲得する可能性が高くなります。

 

このように業界の脅威を分析することで、SCPモデルにおける業界の特徴を把握できる他、どの脅威がどれほど強いのか、或いは弱いのかを測ることによって戦略を決める上での指針を得ることが出来ます。

 

次回は、各脅威について詳細に見ていこうと思います。

 

企業戦略について学びたい方へ

 

ここで、本記事の参考図書をご紹介しておきます。

本書では、記事に書ききれなかった多数の事例や、各フレームワークの更なる詳細を読み解くことが出来るため、戦略論に関心がある方は是非とも手に取って頂きたい書籍になっています。

 

 

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最後に

 

では、最後にここまでお話ししてきた内容をまとめておきます。

 

SWOT分析における外部要因を分析する上では、SCPモデルに基づく各業界の特性を理解し、5つの競争要因モデル(Five Forces)を用いて、自社の業界の競争レベルを把握することが有効である。

 

今回も最後までご覧頂きありがとうございました。

ではまた。

 

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